サンタクロースを信じて

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はじめまして

君の瞳にへのへのもへじです

クリスマス

サンタさんはいる

私は高校生の頃まで、サンタがいると信じていた

小学校低学年くらいに、サンタはいるのか問題にムキになって意見してた

一人の男の子が、サンタは親なんだよって言うから、そんなことないって言い続けてた

なんともほほえましい光景だが、私にとっては黒歴史だ

ずっと、アニメみたいなトナカイと🛷に乗ったサンタクロースが空を飛び

子ども達にプレゼントを配っているって本気で信じてた

だから、私にとってはクリスマスは神秘的であり、特別な日だった

親からのプレゼントとパーティーはワクワクした

この時期だけのクリスマスソングを歌う

家にはクリスマスツリーを飾ってその時を待つ

小さい頃は、音楽祭のようなクリスマスイベントに参加したり楽しい時間を過ごした

どこもかしこもクリスマス一色

寒いのは嫌いだったけど、この寒さがクリスマスっぽくてロマンティックだった

兄貴と私は、喘息と気管支炎の治療の一環でスイミングスクールに通わされていた

ちょうど12月24日にスイミングスクールの年があった

これが終われば楽しいクリスマスだって思って、頑張ったことがあった

自分が望んで通ってたわけじゃないので、辛かった

泳げるようにはなったけど、しんどかった

そんなスイミングスクールも、クリスマスパーティーのことで頭がいっぱいになった

上機嫌で帰宅したことを覚えている

これまで、一度も両親のことを好きだと思ったことはない

両親のことを嫌いだったと認識したのはわりと最近だ

純粋だったから、家族は好きであるべきと思い込んでた頃のクリスマスの話だ

ガラガラ音を立てて崩れてく

サンタを信じていたのは高校生までだ

鼻で笑いたくなるくらい、自分が純粋すぎたせいだ

そんな無垢な人間のまま生きられたら、どんなに幸せだったことだろう

私がサンタを信じた理由は、夢があったから

それと、両親が2回もプレゼントをくれるはずがないと思ったからだ

私にとって、サンタクロースの存在は素敵な夢物語なのだ

幸せな時間を過ごせる日だ

サンタが実はいないってことを知ったのは、母の告白だ

高校生の時に、母から暴露されたからだ

その瞬間、私の夢物語は終わりを告げた

変だなって思ったことはあった

お願いしたプレゼントじゃなかったり、母にまでプレゼントがあったり

せっかく書いた手紙もそのままだったり、遅れて枕元にプレゼントが置いてあったこともあった

それでも、理由をつけて私はサンタを信じ続けた

たぶん、信じてた方が楽しいからだったんじゃないかって今は思う

幸せな時間を壊したくなかったのかもしれない

純粋すぎた私の心は、母の暴露によってまた少し陰りを見せた

こうやって、どんどん私の純粋な心は、心無い大人たちによって壊されていった

高校生の私

夫と出会ったのは高校生だ

まだ付き合ってない頃に、なぜか映画に誘われた

バイトの休みがたまたまその日しか取れなかったらしくて、12月24日になった

本当に偶然だったようだ

何で私を誘ったのかもわからない状況の中、ハリーポッターを観に行った

この時はまだ、サンタを信じてた

すでに家でのパーティーはやらなくなっていたけど

覚えている限りでは、家族以外でクリスマスを過ごす初めての日となった

夕方からこんな風に出掛けたのも初めてだったかもしれない

イルミネーションはきれいだし、クリスマスって雰囲気が素敵だった

この時はまだ、私の夢物語は続いてた

きっと、明日の朝目覚めれば、枕元にはサンタさんからのプレゼントがあるってワクワクしてた

その1~2年後に母に暴露されるその時まで、私はサンタを信じてた

夢から現実へ

母の暴露から、私は見て見ぬふりをしていたかった夢物語から、一気に現実に引き戻された

最後までサンタを信じていたかったのに・・・

私はこれからどんな気持ちで、クリスマスを迎えればいいのかわからなくなった

純粋にサンタを信じてクリスマスを過ごしてきた、長く短い私の夢は終わった

彼氏(夫)と付き合ったこともあり、クリスマスはただの恋人のためのイベントとなった

クリスマスはもはや、消費者への購買意欲をかき立てる企業の戦略としか考えられなくなった

私の純粋な心を返してほしい

目に映る景色さえも一瞬で変わってしまったクリスマス

それでも、今度はイベントとしてのクリスマスを受け入れ、楽しむことにした

それから結婚して、一緒に住むようになったので、外出せず家でパーティーするようになった

今ではすっかり、クリスマスと誕生日は美味しい肉といつもより高いワインを飲むための口実となった

夢は見たい

私にとって、このサンタクロースを信じてた話は黒歴史だ

それでも、夫に話したことがある

「高校生になってまで、サンタを信じてる子がいるとは思わなかったけど、なんかいいね」

そんなようなことを言われた

私の純粋な気持ちを肯定してくれた

今の私にとっては黒歴史だ

でも、どんなに純粋な心を持った子どもでも、やがては真っ黒に染まってしまうこともある

人は純粋な心のままでは生きられない

それは、この社会を生きるため

だったら、子どもでいられる時だけでも、純粋な夢を見させてほしい

黒く染まってしまうまでは、子どもは子どものまま、純粋なまま生きさせてほしい

私がサンタを信じてた間だけは、幸せなクリスマスを過ごせた

それは、紛れもない事実であって私が純粋だった証でもある

その瞬間だけは、世界は優しいんだって思えた

おわりっ

次回の投稿は

12月28日(水)10時です

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